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永住許可が2027年に変わる|年収・年金・日本語能力の新要件と今すべき準備

2026年7月25日、読売新聞・産経新聞・朝日新聞などが、政府が「永住許可に関するガイドライン」を大幅に見直す方針を固めたと報じました。新たに年収・年金の受給見込み額・日本語能力が具体的な判断材料として加わり、日本人・永住者の配偶者に認められている在留歴の特例も延長される方向とされています。永住許可を検討している方にとっては、これまでの「10年住んで、税金と年金を払っていれば」という前提が通用しなくなる可能性がある内容です。本記事では、現時点で報じられている改正案の中身と、いま準備できることを整理します。

※本記事は2026年7月25日〜28日時点の報道に基づく解説です。出入国在留管理庁からガイドラインの最終版は正式に公表されておらず、パブリックコメントも実施されていません。今後内容が変わる可能性があります。

何が報じられたのか

報道によると、政府は永住許可の審査において、法律上の要件である「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」(独立生計要件)と「その者の永住が日本国の利益に合すると認められること」(国益要件)の判断基準を、これまでより具体的な数値・水準で示す方向で調整しています。従来のガイドラインは「将来にわたって安定した生活が見込まれること」といった定性的な表現が中心でしたが、これを年収・年金・日本語能力という測定可能な指標に置き換えるのが今回の見直しの本質です。

報じられている主な変更点

項目現行報じられている改正案
収入世帯の状況を踏まえて総合判断(明確な金額基準なし)日本人世帯の平均を上回る水準の年収が継続していること
年金直近2年間の納付状況を確認納付状況に加え、厚生年金に30年加入した場合に相当する受給見込み額の確保。不足分は金融資産で補える方向
日本語能力規定なし「自立した言語使用者」に相当する水準。日本語・生活学習プログラム(仮称)の受講義務化も検討
配偶者特例
(日本人・永住者等の配偶者)
婚姻3年以上+在留1年以上婚姻5年以上+在留3年以上
子どもの就学明示なし正当な理由なく学齢期の子を就学させていない場合は消極評価

年収要件:「日本人世帯の平均」とは何を指すのか

報道では「日本人世帯の平均を上回る水準」とされていますが、何をもって平均とするかは明らかになっていません。厚生労働省の国民生活基礎調査による全世帯の平均所得はおよそ550〜580万円台で推移していますが、単身世帯・高齢者世帯・児童のいる世帯では平均額が大きく異なります。どの統計を基準にするのか、扶養人数や居住地域で調整されるのか、直近何年分を見るのかは、正式なガイドラインを待つ必要があります。

実務上、押さえておきたいのは次の点です。

  • 世帯年収で判断されるため、配偶者の収入は合算できるのが原則です。ただし「家族滞在」の資格外活動許可による収入や、留学生のアルバイト収入は合算対象になりにくいと考えられます。
  • 扶養家族が多いほど、求められる世帯年収の水準は上がります。海外に住む家族を扶養に入れている場合も同様です。
  • 転職直後で年収が一時的に下がっている場合、申請のタイミングそのものを再検討する価値があります。

年金要件:「厚生年金30年相当」のインパクト

今回の報道でもっとも影響が大きいのがこの項目です。申請時点で、日本人の平均的な年収水準で厚生年金に30年間加入した場合に相当する年金受給見込み額を確保していることが求められる方向とされています。

これは、30年分の保険料を実際に納め終えている必要があるという意味ではなく、加入期間・働き方・年収から算出される将来の受給見込み額が一定水準に達しているか、という判断だと報じられています。とはいえ、40歳前後で来日した方が定年までに30年相当の見込み額に届くことは現実には難しく、その場合は不足分を補える金融資産の保有を証明することが実質的に必須になると考えられます。

まず取り組むべきは、ご自身の年金記録の確認です。「ねんきんネット」では将来の受給見込み額を試算できます。転職や独立の際に国民年金への切り替えが漏れていると、その期間が空白になり見込み額を押し下げます。詳しい確認手順は永住申請の年金・税金チェックリストで解説しています。

日本語能力と「日本語・生活学習プログラム(仮称)」

永住許可の要件に日本語能力が加わる方向です。報道では、国際的な言語能力の基準における「自立した言語使用者」に相当する水準が想定されています。日常生活や社会生活を日本語である程度独立して行えるレベルを指し、あいさつや買い物ができる程度では足りないと考えられます。

ただし、日本語能力試験(JLPT)のN1・N2といった具体的な級が基準になるのか、合格証明書の提出が必須になるのかは、現時点では明確になっていません。あわせて、外国人が日本語・日本文化・社会のルールを学ぶ「日本語・生活学習プログラム(仮称)」を2027年度にも開始し、その受講を永住許可や長期滞在の要件とする方針も報じられています。

配偶者特例の延長は影響が大きい

現行のガイドラインでは、日本人・永住者・特別永住者の配偶者は、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、日本に引き続き1年以上在留していれば、原則10年の在留歴要件によらず永住申請ができます。これが婚姻5年以上・在留3年以上へ延長される方向とされています。

結婚から3年前後で永住申請を予定していたご家庭にとっては、申請可能時期が2年ほど後ろにずれる可能性があります。該当する方は、現行基準での申請が間に合うかどうかを早めに確認しておくべきです。

いつから適用されるのか

一部報道では、収入などの経済要件は2026年10月から、その他の要件は2027年4月から適用する方向で検討されているとされています。2027年4月は永住許可の取消制度が施行される時期でもあり、永住をめぐる制度全体がこのタイミングで大きく動きます。

実務上もっとも気になるのが、すでに申請中の案件や、これから数か月以内に申請する案件の扱いです。朝日新聞は、収入の水準について2025年4月以降に申請されたものに遡及適用するとの内容を報じており、経過措置の設計次第では「駆け込み申請」が意図した効果を持たない可能性があります。正式なガイドラインと経過措置の内容を確認したうえで判断することが重要です。

いま準備できる3つのこと

1. 年金記録と将来の受給見込み額を確認する

「ねんきんネット」または「ねんきん定期便」で、加入期間の空白と受給見込み額を確認します。切り替え漏れが見つかった場合、追納できる期間には限りがあるため、早く気づくほど選択肢が残ります。

2. 世帯年収と扶養状況を整理する

直近数年分の課税証明書・納税証明書を取り寄せ、世帯としての年収の推移を把握します。扶養家族の人数や、実際に扶養の実態があるかも確認しておきましょう。

3. 申請時期を戦略的に判断する

現行基準で要件を満たしているなら、正式発表を待たずに申請を進める選択肢があります。一方、遡及適用の可能性を踏まえると、単に急げばよいとも言い切れません。ご自身の在留資格・在留歴・収入状況によって最適解は変わります。

よくある質問

Q. すでに永住許可を持っている場合、影響はありますか?

A. 今回報じられているのは新規の永住許可申請の審査基準です。すでに永住者である方の資格が遡って見直されるという内容ではありません。ただし2027年4月からは永住許可の取消制度が施行されるため、税・社会保険料の未納などには引き続き注意が必要です。

Q. いま急いで申請したほうがよいですか?

A. 現行基準で要件を満たしているなら、早めに申請する合理性はあります。ただし収入要件については遡及適用が報じられており、急ぐことが必ずしも有利とは限りません。要件を満たさないまま急いで申請すると不許可歴が残るため、まずは現状を正確に把握することをおすすめします。

Q. 高度専門職の場合はどうなりますか?

A. 高度専門職のポイント制による在留歴の特例(1年・3年)が今回の見直しでどう扱われるかは、報道からは明らかになっていません。正式発表を待つ必要があります。

Q. 日本語能力の証明は必要になりますか?

A. 何をもって証明とするかは未定です。JLPTの受験を検討している方は、いずれにせよ取得しておいて損はありません。

当事務所のサポート

つづき行政書士事務所では、永住許可申請の要件診断から書類作成・申請取次まで対応しています。年金記録の確認、世帯年収の整理、申請時期の見極めといった、正式発表前の今だからこそ意味のある準備を一緒に進めます。不許可になった案件について、入管で理由を確認したうえでの再申請にも対応しています。

つづき行政書士事務所では、初回のご相談を無料でお受けしています。不許可時の無料再申請・返金規定を設けています。お電話(090-8501-7508・平日9:00〜18:00)またはお問い合わせフォームからご連絡ください。岡崎の事務所からオンラインで全国に対応しています。

本記事は2026年8月1日時点の報道および出入国在留管理庁が公表している現行ガイドラインに基づいています。改正内容は正式に決定されたものではなく、永住許可の結果を保証するものではありません。個別の案件については、出入国在留管理庁の最新の公表資料をご確認のうえ、専門家にご相談ください。

▶ サービス詳細:永住許可申請サポート(料金・流れ・FAQ)

▶ 関連記事:永住申請の年金・税金チェックリスト|納付状況の確認方法

参考

  • 読売新聞「外国人の永住許可要件を厳格化、『日本人の平均上回る年収水準』新指針に明記へ」(2026年7月25日)
  • 産経新聞「外国人の永住許可要件厳格化へ 年収、日本人の平均以上 政府方針『年金30年水準』」(2026年7月25日)
  • 朝日新聞「外国人の日本語・生活学習プログラム、永住許可の要件に 入管庁方針」
  • 出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」

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